~本気で子どもと関わりたい親のための子育てコラム~

       ★「この時期から流行り始めるノロウィルスの防ぎ方」

 

       ★「風邪・インフルエンザの予防のためのアロマのレシピ」

 

       ★「武術に学ぶ子どもへのスマホの与え方」

 

       ★「心の健康を保ち増進するために大切な「予防」のお話」

 

       ★本気で子どもと関わりたい親のための「子育て道場」テーマは「ヘリコプターペアレンツ」

「この時期から流行り始めるノロウィルスの防ぎ方」    吉田聡(薬剤師)

 食中毒と言えば夏場のイメージがありますよね。

でも、冬にも食中毒があります。

その中の代表格と言えるのがノロウィルスです。

名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

 

ノロウィルスの症状は、急激な下痢と嘔吐と発熱です。

1日10回以上とも言えるほどの下痢と嘔吐を繰り返し、熱は38度前後で、体力を消耗します。

これらの症状は感染してから24〜48時間で症状が出てきます。

ただ、回復も早く2〜3日で症状が治まってきます。

でも、急性の症状で一番気をつけなければいけないのは、脱水症状。

下痢と吐き気を繰り返し、水分がとれないときには脱水症状になり、入院するケースもあります。

一番厄介なのは非常に強い感染力。

瞬く間に家族や職場で集団感染して病院にかかると言うことが、この時期に薬局でも見受けられます。

さらに、症状がなくなってからも短い人で1週間、長い人だと1ヶ月弱糞便からウィルスが出続けます。

 

それでは、ノロウィルス。

どのように防げば良いのでしょうか?

まず、大事なのは一般的な対策であるうがい・手洗いでは防げないと言うことです。

ノロウィルスはほんの少しのウィルスが身体に入ってしまうだけで発症するので、

これらの対策では防ぐことが出来ません

 

また、一般的な消毒用アルコールでも防げません。

ノロウィルスはノンエンベロープウィルスと言って、消毒用アルコールに強いんです。

 

公共の場所で置かれている消毒用アルコールは効果がないと思ってください。

ノロウィルスに効果がある消毒は次亜塩素酸系の消毒です。

これは、ドアノブを拭いたり、衣類を消毒することには使えますが、人には刺激が強すぎます。

 

ではどうしたらよいのでしょう?

 

有機酸が入った消毒用アルコールを選んでください。

これは、ノロウィルスにも効果があるからです。

この消毒用アルコールを外出後やトイレの後などこまめに使いましょう。

携帯用の物をいつも持ち歩くと更に効果的です。

 

でも、消毒用アルコールを沢山使うことに抵抗がある人も居ます。

その多くは、手が荒れてしまうからです。

確かに、一般的な消毒用アルコールは手の油分を一緒に持って行ってしまうので、

手が荒れやすくなります。

 

でも、有機酸が入った消毒用アルコールは保湿剤も含まれている物もあります。

実際、私は仕事柄1日30回くらいは使っていますが、手が荒れなくて重宝しています。

 

こまめな消毒でノロウィルス対策で身を守りましょう。 

 

 

 

【プロフィール】吉田 聡(よしだ さとし)

 

NPO法人日本セラピーブリッジ副理事長

薬局・なくすりーなの管理薬剤師

 

1977年大阪生まれ東京経由岡山育ち。

延べ30万人の服薬指導に当たるも、その薬が本当に必要なのか疑問を持ち、模索しながら自己研鑽を積んだ結果『薬剤師の本質は薬の引き算をすること』という考えにたどり着く。

とことん患者さんに寄り添って、薬をへらす服薬指導は信頼を得ている。

「薬の引き算をする薬剤師」としての講演も好評。

 

そのほか、株式会社LLE代表取締役、株式会社ザイシCEO

古河薬剤師会副会長なども歴任している新進気鋭の薬剤師。

「風邪・インフルエンザの予防のためのアロマのレシピ」   杉江リカ(アロマセラピスト)

 これからの季節に活躍するアロマをご紹介します。

 

鼻水、鼻づまり、咳などの一般的な風邪の症状から

インフルエンザまで。

 

アロマには抗菌作用、抗ウィルス作用などの薬理効果があります。

これらの効果を上手く活用し、予防をして頂きたいなと思います。

 

それでは、簡単なレシピです

 

「アロマ簡単吸入」

作り方

マグカップにお湯を入れ精油を1滴垂らします

目を閉じて、立ち上がる蒸気をゆっくり吸入します

鼻水。鼻づまりの時はユーカリ

咳はサイプレス

インフルエンザ予防はティーツリー

他にはペパーミント、ラベンダーもオススメです

 

 

「インフルエンザ予防アロマスプレー」

作り方

スプレー容器に精製水20ミリ

無水エタノール5ミリ

精油20滴を入れ混ぜ合わせます

オススメの精油

ティーツリー、ペパーミント、ラベンダー

ラベンサラ、ローズマリー、フランキンセンス

オレンジ、レモンなど。

 

玄関、リビング、寝室、車の中など

スプレーして下さい

 

風邪の予防で大切なのは、加湿と加温です

 

疲れやストレス、睡眠不足は免疫機能を低下させますので、

規則正しい生活の中に楽しみながらアロマを取り入れて頂きたいです。 

 

【プロフィール】杉江 リカ(すぎえ りか)

               

JAAアロマインストラクター

JAA介護アロマコーディネーター                 

ベビーマッサージセラピスト

ヘッドスパセラピスト

正看護師

 

21歳から総合病院などで看護師の経験を積み、37歳の時にアロマの資格を取得。

その後、アロマ講師として講座、セミナー多数

ベビーマッサージ講師、高齢者施設へのアロマケア訪問

思いを込めた「訪問アロマ」の活動では、ご遺族のケア、グリーフケアまで幅広く対応。

 

アロマスクール&サロン 

Aroma Room ネロリ主宰

「武術に学ぶ子どもへのスマホの与え方」   小池一也(日本武術教育振興会 総合空手道武禅館 館長)

「テレビゲームを与えるべきか?」「携帯電話を与えるべきか?」

一昔前、そうした議論がありましたが、昨今、その議論は無意味と思えるほど、

スマートフォンやタブレット端末が急速な生活に浸透しました。

 

子ども達は物心つく前から操作が身に付くほど。

 

冷蔵庫の開閉と同じくらい気軽な感覚で、可か否かという大袈裟な感覚は持っていません。

だからこそ、子どもを見守る大人は慎重になるべきという意見があります。

 

私も空手道場の長として多くの子ども達を教育する身分。

 

武術家として、護身の観点から考えると、

多くの識者は、スマホにまつわる危険から身を護る為の本質を充分に理解していないかのように

思えます。

 

「危険性を理解させ、ツールとしての有効活用方法を習得させる」というのは

多くの大人達の共通認識。

 

しかし、

「危険性を理解させる」ことで護身という目的は本当に達成可能なのでしょうか。

 

その答えは「否」です。

 

 

考えてみて下さい。あなたの周りにもこんな経験をした方はいませんか?

 

 

「コンピューターはウイルスに感染しています」という広告をクリックしたら、

広告そのものがウイルスだった。それは「危険性を理解するが為に起きた危険」とも言えます。

 

騙す側は巧妙です。相手の持っている知識をも利用します。

本当に危険を回避するには、危険を知ることだけでは足りないのです。

 

 

では私達は子ども達に何ができるでしょうか?

 

 

それは「危機察知能力を高めさせる」ということ。

 

それが自衛力の基盤であり、本質です。

その為には皮膚感覚を養うことが大切であると、日本では古来より考えられてきました。

 

「子どもの脳は肌にある」と提唱する発達心理学者も多数存在する通り、

肌(皮膚感覚)の成長は自他との境界感覚の判断、空気を読む為の判断材料を手に入れたとも

言えます。

 

皮膚は外界と自己を隔てる唯一の壁だからです。

 

家庭で、皮膚が触れ合う遊びをしていますか?

親も子も休日はスマホとばかり向き合っていたり、遊ぶとなっても体を動かすのを面倒がって、

ゲームばかりしてはいませんか?

 

そういう遊びも親子のコミュニケーションとしては悪くはありませんが、親子で相撲を取ったり、

指相撲をしたりするなど古典的な遊びもしてみましょう。

 

皮膚と皮膚が触れ合う、体と体がぶつかり合う遊びは、危険度合いを皮膚で感じることができます。

 

その繰り返しが皮膚感覚の成長に繋がり、経験情報と皮膚感覚情報を統合的にして処理して、

「何か気になる…」という「直感力」に繋がると、日本では心理学という概念がない頃より

考えられてきました。

 

古流武術の多くは、

まず初心者は「お互いの手首を掴み、動いて、感じる」という感覚訓練を多くするものです。

 

常に危険を共にある武人だからこそ、

皮膚感覚を鍛え、危険に対する直感力を鍛える必要があったのではないでしょうか。

 

 

【プロフィール】小池 一也(こいけ かずや)

 

 

日本武術教育振興会総合空手道武禅館 館長。

全日本準優勝の実績を持ち、現在は、東海三県にて会員数200名以上の会員数を誇る武術団体の長。闘戦経や孫子などの古典兵法への造詣が深く、

史学、社会学にも精通。

80名以上在籍する子供会員に対し

「イジメ被害or加害の克服」をテーマに指導。

現会員の8割を解決に導く。

統一体と呼ばれる「心と体の合致」を基とする、日本古来の身体概念をベースにした講義には定評がある。

「心の健康を保ち増進するために大切な「予防」のお話」    小石亜希子(臨床心理士)

こんにちは。

「リーダーのみなさんの、心のひっかかりをすっきりさせる、

きっちり歌う臨床心理士」の小石亜希子です。

 

今回は、子育て世代の皆様にも大事な

心の健康を保ち増進するために大切な「予防」のお話をしたいと思います。

 

「予防」というと、「予め防ぐ」という意味ですが、

何を予め防ぐのかによって、3段階に分けられますよ、と、そんなお話です。

 

まず、第一段階は一次予防です。

これは、一般的に想像される予防に近いかもしれません。

 

病気にならないように、気をつけましょうねということです。

 

一次予防には「自分の心身の健康管理は最低限自分でする」というセルフケア、会社内、家庭内、

学校内など、それぞれの方の生活の場でお互いが気遣い合い、必要に応じて環境等を調整するというものなどがあります。

 

一次予防は専門家によって行われるものではなく、「生活の場」で行われるものですので、その主な担い手は、本人や周りの方々、つまり個を中心に取り巻く全ての方々ということになります。

 

 

そして第二段階は、二次予防です。

どれだけ注意を払っていたとしても心の病気になってしまうことはありえます。

そんな時にでもなんとか冷静に…。

 

早期発見早期治療をすれば、大事に至らずに済ませることが出来たり、病気の進行を遅らせることが出来たり、最小限のお薬で済ませることが出来たりします。

 

このような対応のことを、予め悪化を防ぐという意味で、二次予防と言います。

 

この段階の見極めはなかなか難しいものでもありますので、素人判断はせず、出来るだけ早く医療機関につないでいただくということがポイントになります。

 

特に、精神疾患の場合、その病気が重症になればなるほど、ご本人の病識(『自分、なんか変だぞ…』という違和感)が乏しくなることが知られており、ご自分で医療機関にかかることを希望されない場合も多くあります。

 

そんな場合でも、『なんか変だぞ…』と気づいた周りの方が、民間の医療機関や、精神保健福祉センターや保健所などの公的機関にて、個別に対応策を聞いていただくということが大変有効です(本人を無理やり連れて行く前に作戦会議をした方がうまくいきます)。とにかく医療へつなぎ、早期発見早期治療につなげていくことが二次予防です。

 

二次予防の段階で、治療を継続しつつ会社や学校に行ける状態を保てるのが理想ではありますが、中には、治療に専念するために一度社会から距離を置く、つまり休養が必要となる場合があります。そんな時は、とにかくしっかりと治療をしてください。(「しっかりと治療」の具体的なことについては、また別途お話させていただきます)。

 

 

しっかりと治療を継続し、症状も随分安定した段階で、予め再発を防ぐために行われるのが

「三次予防」です。

 

ここで注意をしなければならないのが、

「日常生活がなんとか送れるようになる」≠「完全なる社会復帰が出来る水準まで改善した」ということです。

 

医療機関では、生活のリズムが戻り、日中も軽い活動ならば出来るようになった段階で

「少しずつ復帰も考えてみよう」と言われることが多いようです。

 

しかし、多くの場合、軽い活動はできても、職場でこれまでと同じようにバリバリと仕事をする、

就職する、せわしない学校生活に戻る、というところまではもうひと山あったりします。

 

このひと山を丁寧に越えていくことが出来れば、再発・再悪化予防に繋がりますので、同じく大切な予防です。

 

最近では、三次予防の補助として、社会人であれば、リーワークプログラム(戻る職場がある方向け)が提供されている医療機関も少数ではありますがありますし、障害者手帳を取得された場合には、障害者職業センターやハローワークの障害者窓口のような病気に特化した就労支援窓口もあります(相談そのものは手帳がなくても大丈夫です)し、長期無業状態になってしまった場合にでも、

それぞれの年齢や状態に応じてサポートする公的な支援機関も充実しつつあります。

 

また民間の就労移行支援事業等の支援機関を利用される方もいらっしゃいます。

 

いずれの場合も、

「再発を防ぎながら、上手に社会復帰していく」ということに重きを置いているのが共通点です。

 

なお、この三次予防の担い手は、ご本人、お家や会社や学校など復帰先の方々、医療機関や支援機関と、総動員です。

 

 

いかがでしたか?以上が、「予防」についての大まかなお話でした。

 

 

それぞれの具体的なことについては、また改めてご紹介していきたいと思いますが、

まずは、段階に応じて、状況に応じて、『防ぐこと』が異なってくるということが、

少しでもご理解いただければ嬉しいです。

 

 

それでは、また。

【プロフィール】小石 亜希子(こいし あきこ)

リーダーのみなさんの心のひっかかりをすっきりさせるきっちり歌う臨床心理士

NPO法人日本セラピーブリッジ理事

20年以上にわたり、児童相談所、保健所、小中学校及び高等学校、若年者就労自立支援機関、生活困窮者自立支援機関等で心理臨床業務に携わる一方、大学や専門学校、民間企業などで、講義や研修講師、コーディネーターとして活動。クライエントは、比較的健康な方から医療機関にて治療を受けつつ、あるいは障害受容をしつつ生活や職場で充実した日々を送ろうと研鑽される方まで、そして年齢層も子どもから高齢者までさまざま。

当事者の方々のサポートに加え、当事者の方々を支える保護者、支援者、事業主やリーダーの支援も積極的に行っており、それぞれの立場に応じた具体的な支援策の提供には定評がある。

心理臨床活動の一貫として声楽家である側面も活かし各種イベント等積極的に企画運営参加もしている。

臨床心理士、産業心理臨床家、声楽家。